研修講座11 「流域思考」に学ぶ水土砂災害への対応策

研修のねらい・目標

日本各地で多発する水土砂災害に対し、どう向き合ったらよいか。水土砂災害は今に始まったものではありませんが、その規模や発生回数に於いて、歴史的にも類を見ない現象が起きていると言って過言ではないでしょう。本講座では、この事態をどう乗り越えたらよいのか、その典型的な解決モデルを生み出した「流域思考」について学んでいただきます。

①多発する水土砂災害と「流域」への注目
未曾有の大水害、温暖化豪雨時代において、行政、市民社会は新しい対応を迫られています。そのキーワードこそ「流域」なのです。

②「水土砂災害は流域災害である」ことの重要性
水害にかかわる整備計画、ハザードマップの作成や啓発活動等を「行政単位」から「流域単位」に変えること必要性を論じます。

③事例紹介:鶴見川流域の流域総合治水40年の歴史
一級河川鶴見川における「流域総合治水」の成果について紹介します。従来の「河川法」「下水道法」だけに頼らない保水、遊水力の確保を枠組みとした総合治水対策の原型がつくられ、鶴見川流域の地域住民、行政、企業、そして国が一体となって、鶴見川の治水対策が講じられた。

④小流域水土砂災害への流域対応を考える
日本各地で多発する所謂丘陵、山地、河川での災害の激甚化をどう防いだらよいのか。その発生の原因を究明し、各自治体先行の下、専門分野の知見を結集して総合的な実践計画を策定する。言うは易く進めるは難し、しかし前に進まなくてはならない。「教育」への期待もその一つである。

講師プロフィール

岸 由二

慶応義塾大学名誉教授。NPO法人鶴見川流域ネットワーキング代表理事。国土交通省河川分科会委員(元)。主な編著書「流域地図の作り方(ちくまプリマ―新書)」「流域の計画と都市(都市計画223号)」その他。


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